ソフトバンクが1000億ドル、10兆円規模もの投資ファンドを設立すると報じられました。ファンドの規模が非常に大きいこともありますが、何よりも共同でファンドを立ち上げるパートナーがサウジアラビアだということには驚きました。
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10兆円もの巨大ファンド
1000億ドル(10兆円)というファンドの規模は、まだ可能性の段階のようですが、ソフトバンクが今後5年間で250億ドルを出資し、サウジアラビアの政府系ファンドであるPIF(公共投資ファンド)が450億ドルを出資するということです。さらに複数の大手投資家と話を進めているとのことで、最終的には1000億ドル規模になるようです。
投資規模がトップの投資会社はアメリカのブラックストーン・グループだそうですが、この会社でも、過去5年間で集めた資金量は600億ドル程度だということです。もくろみ通りに資金が集まれば、世界でも非常に有力な投資ファンドになると思われます。
ちなみに、10兆円という額は、日本の国家予算の一割程度、ポルトガルやアルゼンチンの国家予算規模程にもなります。一万円札で10兆円を積み上げると100kmにもなるそうで、もはや想像を超える領域です。
サウジアラビアの副皇太子は最近日本を訪問
投資ファンドを立ち上げるパートナーがサウジアラビア政府ということも驚いた点です。
よくこんな相手を見つけられたなぁと思うのですが、少し前にPIFを率いているサルマン副皇太子が来日しており、その際、孫さんにも接触をしていたようです。
サウジアラビアは「脱石油」を目指す経済構造改革の実行を掲げています。その一つの手段がITへの投資で、半導体設計会社のARM買収を実現し、その領域では相当目利き力のある相手としてソフトバンクには注目していた、ということかと思います。
ただ、サウジからのアプローチだけでなく、ソフトバンク側からの働きかけもあったはずです。おそらくそこには、前の副社長であるニケシュ・アローラさんらのグローバルな人脈も貢献しているのではないかと思いました。
サルマン副皇太子が日本を訪れたのは、2016年8月31日から9月3日の間でした。その間に、安倍首相をはじめ政財界の人物と精力的に会ったと言うことです。
ところで私が何よりも驚いたのは、その訪問団の規模です。財務相やエネルギー相など、ほとんどの経済閣僚を引き連れての来日で、総勢500名、13機の飛行機で来日していたそうです。お金持ちの国のスケールの大きさは想像を超え、こちらにも驚かされた次第です。
参考文献