Facebookが2017年度第3四半期(7月から9月)の業績を発表しました。売上が昨年同期比49%増、純利益にいたっては79%もの増加。3ヶ月間で約5300億円以上もの純益を得るという好調ぶりです。
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2017年度第3四半期の業績詳細
上の表はFacebookが11月1日にリリースした報告書からの抜粋です。
赤枠で示した2017年度第3四半期(2017年7月から9月)の売上高は103億2800万ドルで、前年同期比47%の増加です。四半期売り上げが100億ドルを超えたのは今回が初めてで、三ヶ月間で1兆1400億円もの売り上げとなっています。
営業利益(緑枠)は64%増の51億2200万ドル(約5840億円)、純利益(青枠)は79%もの増加で47億700万ドル(約5370億円)とこれも過去最高となりました。
売上高営業利益率(橙枠)も50%と非常に高い水準で、前年同期比6ポイント、前期からも3ポイント増加しました。
上の表からも分かるとおり、売上のほとんどを広告が占めていますが、前年同期からは1.5倍となり非常に好調です。モバイル向け広告が引き続き主力で広告売上の88%を占め、さらに前年からは84%もの増加となっています。
月間利用者数は20億7000万人、毎日の利用者数は平均13億7000万人で、双方とも前年同期からは16%増加しました。
株価も直近で一時180ドルを突破
業績を反映してか株価も一時180ドルを超えました。2Qの決算発表時にも記事を書きましたが、その時の株価はちょうど170ドル近辺にありこの3ヶ月で10ドルあまり上昇しました。
しかしながら、前回の決算後、しばらく170ドル台を推移した株価が決算発表の5日ほど前から急騰して180ドルを超えたというのが実情です。決算発表を前に投資家の期待が先行した形でしょうか。決算発表後は少し軟調で、株価も少し下がりました。
おわりに
業績としては非常に好調な決算発表でしたが、今後は利益が落ち込む可能性もあると言うことです。
これは、いわゆるロシアゲート事件に関わるfake newsと呼ばれる投稿や広告が理由です。ロシア政府に広告を悪用され、先の大統領選に影響を与えたという米国議会の批判もあり、広告や投稿の悪用防止対策に今後多くの費用を投入するということです。
CEOのマーク・ザッカーバーグ氏も「利益よりもサービスの悪用防止を優先する」と発言したということで、今後、収益の伸びは鈍化するかも知れません。決算後の株価が少し軟調であるのも、この理由を受けてのことかと思われます。
とはいえ、超優良企業であることには変わりありません。豊富な自己資金と自前の技術を活かし、AIなどの大々的な活用で悪用防止対策をそつなくこなしていく、といった期待もまだまだ持てます。
※ 初出時にFacebookの報告書へのリンクが間違っていたため修正しました。
[参考]