PCの電源がすぐ落ちてしまう現象に長い間悩まされていたのですが、ようやく解決しましたのでメモとして残します。季節を問わず、しかも、度々発生する状況だったのですが、原因は意外なところにありました。
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状況と考えられる原因
電源が落ちる状況
悩まされていたのは、電源を入れた直後にPCが落ちてしまうというものでした。それもBIOSの起動中、OSの起動前というタイミングです。
度々発生するので困った状況でしたが、何事もなく起動する時もあれば、何度試しても落ちてしまう事もありました。
考えられる原因
CPUの熱暴走?
PCの電源が勝手に落ちてしまう場合、一番考えられるのが熱暴走だと思います。
ただ、電源を入れた直後に落ちることや、季節を問わず、部屋の気温にかかわらず現象は起こっていたため、原因としては可能性は低いと思われました。
念のため、CPUのヒートシンクを外し、シリコングリスを再度塗布、しっかりと付け直すことはしてみました。案の定、状況は変わらず、現象は続いていましたが。
電源ユニットの故障?
次に思い至ったのは、電源ユニットがへたってしまったのかも知れないと言うことです。
PCは自作PCなのですが、マザーボードを何度も変える中、電源ユニットだけはそのまま使っていました。電源ユニットは、CPUが省電力化する以前、電力をバカ食いするCPUが普通だった頃に購入したもので、定格出力は600Wと今のCPUとしては余裕がありました。
CPUの機能を利用することになったことでグラフィックボードは外しており、電力的にはさらに余裕があるはずでした。
そして、こちらも念のためにさらに高出力の700Wの電源に交換しました。ちょうどお得感のあるものを見つけたことも理由でしたが、交換しても状況は変わらず、これも原因ではありませんでした。
判明した意外な原因
Windows10移行後に発生頻度が減少
起動直後に電源が落ちなければ正常に使えたので、それ以上原因究明をしていなかったのですが、たまたまWindows10にOSを上げたタイミングであることに気付きました。
Windows10は終了時にOSをスリープ状態にしておくことが通常の設定で、それに伴い、起動も電源スイッチではなく、キーボードやマウスクリックでできるように設定しました。
これが意外と便利でとても気に入って使っていたのですが、ふと気付いたのが、この方法だと一度も起動時にPCが落ちないと言うことでした。また、PCをシャットダウンした場合は電源スイッチを使って起動しますが、この時は相変わらず電源が落ちる現象が出ていました。
電源スイッチが原因
PCのスリープやシャットダウンにかかわらず、電源スイッチを使って起動すると不具合が発生していた訳で、そこで行き当たった原因が「電源スイッチの不良」です。
このPCのケースは、私が自作を始めた当初から使っているもので、すでに15年以上経っていました。
ケースの電源スイッチを調べてみると、スイッチのスプリングがへたっていたようで、スイッチの押し込み後にうまく戻らず、途中で止まってしまっている状態でした。
PCの電源スイッチはマザーボード上の電源ピンにつながっており、このピンをショートする毎にONとOFFが入れ替わります。スイッチを押し込むとショートされるのですが、戻りが不完全だったためにショート状態が続き、ONの直後にOFFの信号がマザーボードに伝わり、その結果、電源を入れた直後に落ちるという現象が起こっていたようです。
電源スイッチの交換
不具合の原因が分かったので、ケースの電源スイッチを交換しました。
ケースには以下の写真のようなスイッチが付いていました。調べてみると、押し込んだスイッチがすぐに戻ってくるノンロックタイプのプッシュスイッチというものでした。
交換用に購入したのが以下のスイッチです。
表記がリセットスイッチとなっていますが、機能や形状はもとの電源スイッチと同じものでした。マザーボード側のコネクタの印字が異なっているので、気になる方は電源スイッチの方を購入すると良いでしょう。
おわりに
結局のところ、熱暴走でも電源ユニットの故障でもなかったわけですが、壊れるとは思っていなかった部品でもあり、原因判明まで長い時間がかかりました。
そして、ほんの小さな事ではありますが、私にとってはまさにセレンディピティの体験でした。
Wikipediaでは「セレンディピティ」とは「ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである」という説明がありました。
このことをいつも考えていたわけではありませんが、ふとしたきっかけで気付きを得ることができ、長い間抱えていた悩みが解決した訳です。
似たような状況でお困りの方は、電源スイッチの故障も原因の一つとして調べてみると良いかも知れません。