Appleの2017年第1四半期(2016年10月~12月)の業績が発表されました。2016年に入って売上高が減少傾向のAppleですが、1Qの売上は昨年同期比3%増、特に日本では20%も増え好調な決算でした。
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784億ドルの売上高は四半期として過去最高
Appleの2017年第1四半期の業績発表の冒頭の一文は以下の通りで、iPhoneをはじめ主要なセグメントで過去最高の業績を上げたということです。
iPhone, Services, Mac and Apple Watch Set All-Time Records
売上高は四半期としては過去最高で、売上の64%は海外からの売上ということです。
下の表は同じページで公開されていた2017年第1四半期の損益計算書の抜粋です。
表中の赤枠で示したとおり、第1四半期の売上は784億ドル(約8兆8700億円)、営業利益234億ドル(約2兆2500億円)、純利益179億ドル(約2兆300億円)となりました。売上は前年同期比3%増加、営業利益と純利益は逆に3%の減少でした。
利益の減少は研究開発投資の増加(20%)の影響が大きいと思われます。しかしながら、研究への投資は自らの判断のもとで実行しますし、営業利益率は依然として30%程度、粗利(Gross margin)も302億ドル(粗利率は38.5%)と業績が超優良であることには変わりません。
地域および製品別の業績
第1四半期の売上を地域と製品別に示したものが上の表です。(こちらのデータも業績発表とともにAppleから公開されています。)
地域別では日本が20%増で突出
表の上半分で示されているとおり、地域別売上ではアメリカがトップ、全体の4割ほどを占めています。次いでヨーロッパと中国がほぼ同じ数字で続いています。
日本での売上は全体の7%程度ですが、特筆すべきは昨年から20%も売上が伸びていることです。これは中国が12%減となっていることとは対照的です。
iPhone7は本来なら大きな変更が施されるサイクルにあたりましたが、実際にはiPhone6と外からの見た目は大きく変わりませんでした。グローバルでは期待外れという反応が多かった中、日本市場に向けてはApplePayをFeliCaでも対応可能とするハードウェアを戦略的に投入しました。
日本の売上のすべてがiPhoneという訳ではありませんが、結果としてこの戦略が大当たりしたと私は思っています。
ご存知のとおり、日本では携帯電話をカード代わりに使うことがガラケーの時代から普及しており、iPhoneをandroidのようにおサイフケータイとして使いたいというニーズは相当大きいものであったと思います。現に私自身も昨年12月にiPhone7を購入し、1QのAppleの売上に貢献した一人なので。
iPhoneは3ヶ月間で7800万台も売れた
表の下半分は製品セグメント毎の販売数と売上が示されています。
言うまでもなくiPhoneの売上が全体の70%程度を占め、額にして544億ドル(6兆1600億円)、台数では7829万台も売れました。もちろんこの時期は、最もモノが売れるクリスマスシーズンを含むので他の四半期より売上は増えます。それにしても三ヶ月間でこの数字ですから、ものすごい数です。
台数と売上は昨年同期比5%の増加でした。台数と売上が同じ率なので、iPhone7 Plusといった高価格帯の機種はあまり売れなかったとも言えそうです。
次に好調なのはApp StoreやiTunes、さらにはApple Pay等が含まれるサービス領域です。およそ72億ドル(8100億円)の売上があり、昨年からの伸びも18%と好調です。売上高8000億円というと、日本ではオムロンやオリンパスといった企業の売上規模に相当します。
一方、iPadは不調が続いています。売上高では22%減、台数では19%減っています。ただ減っているとはいえ、55億ドル(6200億円)もの売上があるのでバカにはできません。
なお、Apple Watchはその他のセグメントに入っていて個別の台数は不明ですが、業績発表の冒頭にもあったとおり、過去最高の売上だそうです。
おわりに
2017年1月31日にAppleから発表された、2017年第1四半期の業績についてご紹介しました。
リリース文によれば、第2四半期の売上見通しは515億ドルから535億ドルとのことでした。これは2016年の2Q売上(506億ドル)に対して最大で6%程度の増加となります。