2016年の米国特許ランキングが発表。IBMが24年間首位を維持。

US Patent Ranking 2016

毎年恒例となっている米国特許取得ランキングが発表されました。上位5社は変わらず、IBMが24年間首位を維持。8,088件の登録特許数も過去最大ということです。

コンテンツ

US特許ランキングとは

このランキングは、米国特許庁に登録された過去1年間の特許件数を出願人毎にランキングしたもので、IFI Claims Patent Servicesという特許調査会社が発表しています。

アメリカは市場も大きく、世界の企業が自社の特許を権利化することを重視しているため、企業の技術力を測る指標としてもこのランキングが使われます。

レポートの原文(サマリー、英語)は下記のページで読むことができます。

IFI CLAIMS Announces 2016 U.S. Patent Ranking
New record for most U.S. patents in single year. IBM tops list again breaking its all-time high. 50 percent of all Top 50 grants attributed to Asia.

上位5社の顔ぶれは変わらず

Top 10 US Patent Ranking 2016

Source: IFI Claims Patent Services

上位5社の顔ぶれは1位 IBM、2位 Samsung、3位 キヤノン、4位 Qualcomm、そして5位がGoogleです。上位5社は順位も昨年と同じです。

冒頭でも述べましたが、IBMは昨年から10%ほど登録件数を伸ばし、過去最大の登録件数とのこと。GlobalFoundariesなど他社に事業売却をしてもなおトップを維持し続けるIBMは相当なものです。それだけに事業シフトがうまく行っていると言うことなのですが、これは、昨年登録された約8,000件の特許のうち、2,700件以上がAIや認知コンピューティング関連であった(ソース: CNet)ことからも覗えます。

2位のSamsungも10%程度増加、逆に3位のキヤノンは10%程度減少です。4位、5位のQualcommとGoogleは前年とほぼ同じ登録件数でした。

ちなみに、Googleの登録件数は前年と同数の2,835件、そしてQualcommもわずか3件の差。とても狙えるものではないと思うのですが、何か仕組みがあるのかも知れず興味深いところです。

日本勢は総じて減少するもNEC・富士通・三菱は健闘

一方日本勢は、キヤノンやソニー、東芝、パナソニック、リコー、ブラザー、シャープなどが登録件数を減らしています。

そんな中、NECや富士通、三菱電気は登録件数を10%程度伸ばしており、USでの権利化戦略に何か新しい動きがあったのかも知れません。

なお、ランキングには日立が現れていませんが、これは関係会社名義で特許出願されるためのようです。名寄せすればランキングに現れるぐらいの件数はあるものと思われます。

日本企業は長らくUS特許登録件数で上位を多く占めていたのですが、他のアジア勢が台頭する中、順位は下落傾向です。とはいえ、特許件数ではトップ50社の28%を占めており、アメリカの41%に次ぐ2位となっています。韓国(15%)、台湾(4%)がこれに続いています。

半導体関連会社の躍進も目立つ

その他の傾向として、IntelやTSMC、GlobalFoundariesといった半導体関連会社の特許取得件数が伸びているところも目立ちます。

特に22位のGlobalFoundriesは、昨年の60位から順位を38も上げ、件数ベースでは130%もの増加となっています。これは、IBMの半導体事業を2014年に買収した効果とも思われ、買収は成功であったと言えますね。

IntelやTSMCも昨年から30%以上件数を伸ばしており、SamusungやQualcommを含めると、US特許ランキングでの半導体関連会社の存在感がさらに大きくなってきているように思われます。

まとめ

2016年の米国特許ランキングについての記事でした。いつものことながら、改めてIBMの強さには驚くばかりです。

レポートのサマリと上位50社までの一覧は下記ページで見ることができます。

IFI CLAIMS Announces 2016 U.S. Patent Ranking
New record for most U.S. patents in single year. IBM tops list again breaking its all-time high. 50 percent of all Top 50 grants attributed to Asia.
IFI Rankings - 2023 | IFI CLAIMS
View the IFI annual ranking of top U.S. patent recipients by recipient and country.